台風

北西太平洋にある熱帯低気圧のうち、中心近くの最大風速が秒速17m以上になったものを、日本では台風と呼びます。

熱帯低気圧は、海水温27度以上の熱帯の海で発生し、あたたかい空気だけでできているのが特徴で、国や地域、強さごとに多くの呼び名があります。ハリケーンやサイクロンも熱帯低気圧の一種なんです。

ここでは、日本の熱帯低気圧である台風が多発する時期や仕組み、季節ごとの進路など、台風に関することをまとめました。この機会に台風のことをよく知って、防災に役立ててください! それでは、早速みていきましょう。

台風とは?

台風とは、中心の最大風速が秒速17m以上になった熱帯低気圧のことで、直径が200〜1000km以上、高さは10km以上となり、円盤の形をしています。台風は水蒸気の蒸発量の多い熱帯の海で発生します。

台風のできかた

1.水蒸気を含んだ空気のかたまりが上昇し、気圧が下がり雲ができます
2.同時に海面付近では低気圧の中心に風が吹き込みます
3.その風に「コリオリの力*」が働き、しめった空気が回りながら吹き込みます
4.中心の気圧は下がり、さらに吹き込む風が強くなり回転も速くなります
5.回転が速くなると遠心力が働き、中心には「目」と呼ばれる空間ができます

*コリオリの力
地球の自転によりできる遠心力によって、地球上にある様々なものは重力により常に回転運動している状態です。貿易風が東から西へ吹くのもコリオリの力ですし海流にも働きかけています。

台風の多発する時期と進路は?

台風の発生するピークは7月から10月にかけてです。年間平均で25個の台風が発生しますが、70%が7月から10月に集中しています。

台風の発生数
1月(0.3)
2月(0.1)
3月(0.3)
4月(0.6)
5月(1.1)
6月(1.7)
7月(3.6)
8月(5.9)
9月(4.8)
10月(3.6)
11月(2.3)
12月(1.2)

ただし、発生はしても日本に接近したり上陸するのは夏より秋の方が多いんです。上陸数でいえば9月が最も多い月になります。

夏は日本の上空に勢力の強い太平洋高気圧がいるため、台風が中国大陸や朝鮮半島に進むことが多くなりますが、秋は太平洋高気圧が東に移動しているため、台風は日本の上を通ることが多くなります!

台風には名前がついている!

気象庁が台風に番号をつけています。よく報道などでも聞く「台風○号」は気象庁が発生順に数字を増やしてつけていくんです。

一方で台風委員会という国際的な組織によって決められた名前もあるんですよ! 北太平洋西部で発生した台風は、委員会に加盟した国や地域が提案した名前リストにしたがって、呼び名がつけられます。

ちなみに日本が命名した台風の名前を紹介しますね。

日本が命名した台風の名前

・てんびん
・やぎ
・うさぎ
・かじき
・かんむり
・くじら
・コップ
・コンパス
・とかげ
・はと

日本がつける名前は全て星座からきています。ちなみに2014年7月に発生した過去最強といわれた台風8号はノグリーと呼ばれ、「たぬき」という意味で韓国が命名したものです。

その他にも女性の名前や、花の名前、動物、伝説の人物など各国によって様々なんですよ!

世界の熱帯低気圧

熱帯低気圧は、赤道近くの海が太陽にあたためられて、上昇気流が起こることによって発生します。各地域により分類や呼び方が違いますが、共通しているのは基準を最大風速においている点です。

最大風速により呼び名を変えていますので紹介しますね。

日本

17m未満 熱帯低気圧
17m以上 台風
33m以上 強い台風
44m以上 ひじょうに強い台風
54m以上 もうれつな台風

北太平洋東部

17m未満 トロピカル・デプレッション
32m以上 ハリケーン

南シナ海

17m未満 トロピカル・デプレッション
32m以上 タイフーン

まとめ

台風は北半球では半時計回りに風が吹き込んでいます。進行方向に向かって右側、すなわち東側は雨風が強くなりますので、進路にあたる地域は警戒が必要です。

また台風の大きさは半径1000km以上になることもあるため、日本をすっぽり覆うこともあります。

台風のちょうど進路にあたる日本では、毎年多くの被害がもたらされます。台風が近づいてきたら外出を控えることや、予想進路など情報を集め、早め早めに対策しておきましょう!