おならの量が多いことを気にしている方がいます。そもそもおならの量は何で決まるのでしょうか?
おならというのは実にやっかいな生理現象で出ないと困るが、人前で出すことなんてできないですよね。いったいおならはどこで作られているのか、なぜ臭いのか、ガマンし続けるとどうなってしまうのか等々、今回はおならの秘密にせまります。
おならはどこで作られる?
成人で平均1日10回、体積にして700ミリリットル程度のおならを出しています。男性の方が頻繁におならをしているイメージがありますが、実は性別による差はありません。
そもそもおならはどこで作られているのかというと、胃や小腸、大腸です。
胃に入り込んだ空気や、小腸、大腸で発生したガスが混ざってできたのがおならなんです。小腸では消化の過程で生じた二酸化炭素が生まれ、大腸では水素やメタン、硫化水素ができます。
これらの気体が集まるとおならになるんです!
1リットルの水を飲むと同時に1.7リットル程度の空気が胃に入ると言われています。空気の大部分は食道を逆流し、げっぷとして口から抜けていきますが、一部の空気は水や食べ物といっしょに腸へ送られます。
空気が腸に入ってしまうと逆流することがないため、おならとして肛門から出るしかなくなります。このように空気やガスの集まりがおならの正体なんです!
なぜおならって臭いのか?
おならのもととなる空気は無臭なのですが、腸に共生している細菌の活動により硫化水素などにおいのあるガスがわずかに含まれてしまうため、これが悪臭の原因なんです。
99%は無臭にもかかわらず、わずか1%の硫化水素などのガスがにおいのもとです。硫化水素は卵の腐ったような刺激臭で、微量でも目や粘膜を刺激します。おならの悪臭に最も関係しているのが硫化水素なんです。
ちなみに生後まもない赤ちゃんのおならはくさくないんです。赤ちゃんの腸内には細菌がいないため、硫化水素も発生しないんですね。生後5ヶ月くらいから急にくさくなるのは、離乳食を食べ始めるため細菌の量が増えるからなんですよ。
おならが多い原因は?
口から入った空気の量で、おならの量は決定します。早食いの方などは、口から食べ物が入ると同時に多くの空気を吸い込んでいるため、おならの量も多い傾向にあります。
もう1つは、食べてすぐにあおむけに寝るのが、おならの多い原因です。胃の中で食べ物と空気が分かれるには食後30分から1時間が必要なのですが、立った状態であれば空気は「げっぷ」として口から外にでます。
ところが、あおむけに寝てしまうと「げっぷ」として出て行く胃の入口がふさがれ、空気は食べ物と一緒に腸に運ばれてしまうのです。「げっぷ」として口から抜けることができなくなり、おならになってしまいます。
つまり、早食いの方で、食べたらスグ横になる方は、おならが多い傾向なんです!
また、サツマイモを食べるとおならがよく出ると言われています。これは、イモ類には食物繊維が多く含まれているため、腸内活動が活発になり、ガス発生量が増えるからなんです。
おならをガマンしたらどうなる?
おならというのは人前でするわけにもいかないので、ガマンした経験はありますよね。ガマンしたおならはどこにいってしまうのでしょうか。
実は腸内にたまったガスは、おならとして排出されない限り、消えることはないんです。
ガスのうちでも、水素は腸から吸収され血管に入り、肺を通じて呼気になるのですが、窒素は腸から吸収されないため、自然にガスがなくなることはありません。
では、ガスがたまるとどうなるかというと、大腸がふくらんだ状態になるため便を排出しようとする動きがワルくなり、便秘の原因となります。おならをガマンするというのは、心にもワルく体にも負担をかけてしまうので、絶対にやめましょう!
まとめ
おならは身近でありながら、意外と知らないことばかり!?だったのではないでしょうか。ただし、ガマンするのだけは、体にワルいことなので絶対にやめましょうね。
便秘の原因は、おならをガマンしていることかもしれませんよ。おならの量が多いと気にしている方は、まずは早食いと食べたらスグ横になるのをやめてみましょう!