子どもに「夏至ってなんなの?」と聞かれたら何て答えますか。つい先日、子どもに質問されたので「1年の中でお昼が一番長い日で、日出が最も早く、日入が最も遅い日だよ」と答えてしまったのですが、よくよく調べてみると一部は正解で、一部は間違っているんです。
あらためて考えると夏至について意外と知らないんですよね。
ここでは、夏至とは?今年の夏至はいつなのか?夏至にまつわる風習は?等々、夏至について徹底して調べてみました。子どもにも分かりやすく説明できるよう、かみくだいてお伝えしますので、早速一緒に見ていきましょう!
夏至とは?
夏至とは、日照時間すなわち太陽が昇っている時間が1年の中で一番長い日です。昼が長く、夜が短い日です。夏至は6月中旬なのですが、日本で梅雨の時期なので雨の日が多いので、この時期はあまり太陽を意識することはありませんね。
夏至についてよくいわれるのが、日出が最も早く、日入が最も遅い日ということですが、実はこれ間違っています。
実は東京近郊で日の出の時刻が最も早いのは…
6月13日の4時24分
6月21日前後の夏至の日出は…
4時25分
ですので、若干ですが夏至の方が日出時刻は遅いんです。
また、日の入り時刻が最も遅いのは…
6月29日の19時1分
日入も夏至の日は…
19時
と、最も遅い日ではありません。
日付 | 日出 | 日入 | 日照時間 |
---|---|---|---|
6月13日 | 4:24 | 18:58 | 14時間34分 |
6月21日(夏至) | 4:25 | 19:00 | 14時間35分 |
6月29日 | 4:28 | 19:01 | 14時間34分 |
なぜ、このようなことが起こるのか、次にみていきましょう。
均時差とは?
これは均時差(きんじさ)が原因です。均時差をわかりやすく説明すると、地上から見える太陽が1周して元の場所に戻ってくるのを1日と定義しています。1日は24時間となっていますが、実際には24時間前後なんです。
つまり、太陽が1周する1日は24時間前後というのが正しく、いつも私達が使っている時間、ぴったり24時間ではないのです。太陽の動きと普段使っている時間(時計)のズレを均時差といいます。
1日というのは24時間ではなく、1年の中で長い1日もあれば、短い1日もあるんです。毎日時間を調整するのは面倒で使いづらいこともあり、1年の1日の平均をとって24時間に調整しているだけなんですよ。
そのため夏至の日は太陽の本来の動きを元にしている一方で、時間(時計)は24時間に調整しているということで、ズレが生じているんです。
今年の夏至はいつ?
夏至の日は6月中旬、梅雨真っ只中で太陽を感じることが少ない時期ですが、夏至の日はいつなのかしっかりチェックしておきましょう!
年 | 夏至の日 |
---|---|
2016年 | 6月21日 |
2017年 | 6月21日 |
2018年 | 6月21日 |
2019年 | 6月22日 |
2020年~2055年 | 6月21日 |
せっかくですので豆知識として夏至と関係がある24節季(せっき)についてもお伝えします。
24節季とは?
24節季とは1年を24の季節に分けたもので、主に農業の目安として古来から使われていました。春夏秋冬で1年を4つにわけ、さらに季節を6つに細かくわけたのが24節季です。ちなみに夏至は24節季の10番目にあたります。
春 | 立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨 |
---|---|
夏 | 立夏→小満→芒種→夏至→小暑→大暑 |
秋 | 立秋→処暑→白露→秋分→寒露→霜降 |
冬 | 立冬→小雪→大雪→冬至→小寒→大寒 |
いくつかは聞いたことがあるのではないでしょうか。春分、夏至、秋分、冬至で二至二分ともいわれ、古来より夏至の日に田植えするなど農業の目安として使われていました。
現代では年がら年中同じものを食べられますし、季節感を感じることも少なくなってきましたが、昔の人々は節目として冬至に旬の野菜を食べたり、夏至には食べ物に感謝する儀式や祭りを行ってきました。
では、夏至の日に各地で行われる風習についても見ていきましょう。
夏至にまつわる風習は?
日本各地では夏至の日に行われる風習が今でも残っています。
関東では夏至の日に、収穫した小麦を使って焼き餅をつくり神様に供えるという風習が残っています。同じく島根でも新小麦を使って団子や饅頭をつくります。
大阪では夏至の日にタコを食べます。ひと昔前は夏至の日に田植えを行っており、タコ足が8本であることから、稲の根を八方にはり巡らせるという意味も込められています。
ひと昔前は、夏至の日から11日目の半夏生(はんげしょう)の間に田植えの作業をしており、農家の方々が最も忙しい期間でもあったんですよ。
このように各地の風習を見ていくと夏至と農業は深い関わりがあることがわかります。お子さんには、夏至の日にはあらためて食べ物に感謝しようと伝えてみましょう。
そのほか夏至の日に太陽の恵みに感謝するということで、伊勢の二見興玉神社では夏至祭も開催されていますよ。農業にとって太陽はかかせませんからね。
夏至についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。お子さんに「夏至ってなに?」と聞かれても大丈夫ですね。
「夏至って、1年の中で昼間が最も長くて夜が短い日なんだよ。また太陽の恵みと食べ物に感謝する日でもあるから、あらためて感謝しようね!」
すばらしい四季を感じることができる日本です。節目には昔ながらの伝統や食べ物を通じて、季節を感じてみましょう!