富士山登頂のカギを握るといっても過言ではない山小屋は、宿泊はもちろん一時休憩でも登山者の頼りになります。一般的なホテルや旅館とは設備も違いますし、利用時のマナーも異なります。
山小屋を利用したことがない方は…
・食事は何がでるの?
・寝る所はどんなとこ?
・注意することはあるの?
等々、疑問がいっぱいありますよね。
ここでは、富士登山に欠かせない山小屋をより快適、安全に楽しむための基本を徹底紹介! 山小屋利用で注意すべきことや、あると便利なグッズもお伝えしていきます。
そのほか、数ある富士登山ルートの中でも山小屋の数が最も多い吉田ルートで、初心者におすすめの山小屋もあわせて紹介していきますね。それでは早速見ていきましょう。
山小屋とはどんなとこ?
富士登山は、最短ルートでも登るのに6時間近くかかり、往復すると10時間以上はざっくりかかります。
体力的にも10時間以上歩き続けるのは、体力がある人でも相当キツイので、山小屋で休憩、宿泊するというのが定番です。富士登山において山小屋の存在は大きいです。
さらに、高地の空気に慣れるためにも山小屋は欠かせません。頂上に近くなればなるほど空気は薄くなりますが、山小屋で休憩、宿泊すれば、体は高地に慣れてきて高山病対策にもなるんですよ。
温かい食事が食べられて、横になって眠るスペースを提供してくれる山小屋は、登山者にとってありがたい存在で、特に初心者の方は絶対ハズせませんよ。
ちなみに山小屋の夕食はカレーかハンバーグがほとんどです。カレーのトッピングにウィンナー付けたり、具たくさんの豚汁が名物の山小屋もあります。
朝食はおにぎり、いなりずしなど、行動しながら食べれる弁当で提供していることが多いです。空の上で食べる食事はまた格別で、あまりのおいしさに感動しますよ。
山小屋利用の3つのポイント!
そんな山小屋を利用するにあたり、おさえておくべきポイントが3つあります!
1.山小屋マナーを守る!
2.予約は早めに!
3.快適グッズは欠かせない!
それぞれを見ていきましょう。
山小屋マナーを守る!
山小屋には個室はほとんどありません。なので、就寝するときは、自分が使用できるスペースも限られてくるため、譲り合いが必要です。
布団もしくは寝袋に入って寝ることになりますが、目安としては1畳に2名程度の割り当てとなっています。もちろんゆったりはできませんが、身動きできないレベルではありません。
富士登山はご来光目的で登る人もいるため、山小屋出発が夜中という人も多いです。就寝と起床時間は利用者によって様々ですので、寝床に入ったらお喋りせずに静かに過ごすことがマナーです。
目覚まし時計をかけることができませんし、荷物整理でガサガサ音を立てることもできませんので、音に対しては相当気を使いましょう。
限られたスペースなので、他の人と譲り合って利用し、荷物を遠慮なく広げたり、スペースを独占しないように注意してくださいね。
予約は早めに!
予約は早めにとるのが鉄則です! 富士登山ブームの影響もあり、特に7月から8月にかけての土日週末はどこの山小屋も予約で一杯です。とりあえず登ってみて、山小屋が空いていたら泊まろうというのはリスクが高いです。
登頂予定が近くなったら予約しようというのも危険です。ピークシーズンは定員一杯で予約ができない場合がほとんどなので、登頂予定を早めに決めて、スグに予約を入れておきましょう!
快適グッズは欠かせない!
山小屋で快適に過ごすのに便利なグッズがあるので紹介しておきますね。
速乾タオル
濡れてもスグに乾くタオルは何かと重宝します。登山中の汗ふきにもなりますし、山小屋利用時にも枕カバーとしても利用できます。そのほか下山後の温泉でも活躍してくれますので、1枚は持っていきましょう!
ボディケアシート
山小屋にはお風呂がありません。もちろんシャワーも浴びることができないです。そういう時に役に立つのが、ボディケアシートです。登山でかいた汗や砂埃を拭きとれば、心身ともにリフレッシュできますよ。
耳栓
耳せん MOLDEX モルデックス (遮音値 NRR:33dB)
山小屋で寝る時に一番困るのが、他の人のいびきです。山小屋で寝るスペースは限られていますので、プライベートな空間は確保できません。なので、隣の人のいびきがうるさいと、ほとんど寝ない状態で山頂を目指すことになります。
次の日の登山にも大きく影響しますので、少しでも快適に寝れるグッズをそろえておきましょう。いびきによる音は意外と問題ですよ。
山小屋の基本をチェックしたところで、次に吉田ルートのおすすめ山小屋を紹介していきますね。
吉田ルートのおすすめ山小屋!
吉田ルートは山小屋が18軒もあり、他の登山ルートより断然山小屋の数が多いです。なので安心して登山することができます。その吉田ルートの中でも、初心者におすすめの山小屋を3つ紹介しますね。
東洋館
2007年にリニューアルしたので、就寝スペースが広く室内もキレイです。総杉板造りの小屋で、収容人数も多く大きめの山小屋ですよ。
宿泊料金:8,200円〜(1泊2食付)
収容人数:320人
営業時間:6月下旬〜9月中旬
予約TEL:0555-22-1040
蓬菜館
五合目と頂上の丁度中間地点にある山小屋です。眺望も良く、日の出や雲海を楽しむことができますよ。さらに、夜景もキレイで満点の星を眺めることができます。
宿泊料金:8,500円〜(1泊2食付)
収容人数:180人
営業時間:7月上旬〜9月上旬
予約TEL:0555-24-6515
太子館
大きい山小屋でゆったり過ごせるのが魅力の総檜造りの山小屋です。この山小屋は、山梨大学医学部の協力によって館内に救護所が開設されているので、安心感が違います。初心者には心強い山小屋ですよ。
宿泊料金:8,500円〜(1泊2食付)
収容人数:350人
営業時間:6月下旬〜9月上旬
予約TEL:0555-22-1947
吉田ルートは上りで6時間半かかるのですが、初心者はテンションもあがり、気合も入っているので初日はペースが早くなりがちです。
早いペースだと高山病になるリスクも高くなりますしケガもします。なので、初日は3時間から3時間半ぐらい歩いたところで休憩なり宿泊するのがベストです。
そうすると八合目から本八合目の間の山小屋がおすすめ! ぜひ山小屋選びの参考にしてください。
富士登山にとって山小屋はかかせない存在です。
休憩や宿泊のほかにも、トイレや売店としての機能も備えているので、登山者にはありがたいです。ほとんどの山小屋では飲み物やお菓子やパン、軽食も販売されているので、宿泊利用でなくても利用できますよ。
今回紹介した山小屋の基本をおさえておけば快適に安心して登山を楽しめますので、ぜひ参考にして富士登頂を目指してくださいね!