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富士山など高い山に登る際に注意しなければならない高山病! 登頂するためには高山病の正しい知識と対策が必要です。

自分自身が、以前富士登山に挑戦したときに高山病になってしまいツライ経験をしたんです。何とか登頂はできたものの、体調不良で頂上での記憶はほとんどありません!

そのような経験をしないために、今回は高山病対策のポイントを徹底紹介していきます。そのほか高山病のサインや症状、また実際になってしまった際の処置などもあわせてお伝えします。

高い山に登って達成感を味わうためには、体調万全が不可欠ですからね。それでは早速みていきましょう!

そもそも高山病とは?

高山病の原因は、ずばり酸素不足です。

標高が高くなると大気中の酸素が少なくなっていきますので、当然体内の酸素量も欠乏していきます。この酸欠が原因で起こる体調不良を高山病というんです。

その高山病の怖いところは、酸欠状態に中々気づかないことなんです。初期の酸欠は症状がほとんどないため、自分が酸欠になっていることに気づかず、症状が悪化してから初めて気づきます。

特に登山経験の少ない初心者の方は、症状がひどくなってから気づくため注意が必要です。

高山病がひどくなると、酸欠で体内のバランスが崩れて脳浮腫や肺水腫なり、ひどい場合は死に至りますので、十分対策してから登山にのぞみましょう。

さらに、この高山病、3,000m級の高い山でしかかからないと思っている方もいますが、高山病は2,000m程度の山でも発症するので、絶対にあなどってはいけませんよ。

高山病の最初のサインと症状は?

高山病対策をお伝えする前に、まずは高山病の知識を覚えておきましょう。敵を知った上で対策する方が効果が期待できますからね。

高山病の最初のサイン

高山病の初期段階ででてくるのが、ボーっとお酒に酔ったときのような気分になります。頭も働かず、足元もフラフラしてきます。

また、眠気がおそってくるケースもあります。眠気は酸欠のサインで、あくびが頻繁に出るようであれば酸欠を疑いましょう。寝不足や疲れのせいにしがちですが、眠気は高山病の入り口ですよ。

そのほか、ハイテンションになる場合も注意が必要です。酸素不足になると、交感神経が優位に働くためテンションが妙にあがってきます。いつもと違う雰囲気や気分を感じたら注意です!

高山病の症状

高山病の主な症状の代表的なものは…
・頭痛
・吐き気(嘔吐)
・めまい

症状は個人差がありますが、頭痛や吐き気、食べても嘔吐したり、食欲不振やめまいといった症状が高山病の特徴です。症状が軽ければ、体が順応することもありますので休憩しましょう。

症状が重い場合は、無理をせず下山も考えなくてはいけません。富士山を例にだすと、登頂する確率は70%といわれており、その中には高山病が原因という方も多いです。

標高2,500m以上を超えてくると、グッと高山病の発症率が高まるので、登山に慣れた方や体力に自信がある方も油断は禁物ですよ!

高山病の対策3か条!

それでは具体的な高山病対策を紹介していきますのでチェックしていきましょう。

1か条 体を慣らす

まずは体を標高に慣れさせることが重要です。登山口に着いたらいきなり登り始める方がいますが、これはおすすめできません。登山口に着いたら、最低でも1時間以上、できれば1時間半ぐらいは体を高地に慣れさせることです。

富士山であれば、五合目と山頂の標高差は1,500mにもなります。平地を歩くのと登山は全く別物ですから、五合目でゆっくりと体を高地に慣れさせてから、登山を開始しましょう!

2か条 睡眠

高山病の初期症状と寝不足を間違うケースもあり、高山病を見逃してしまうこともあるので、登山前日はしっかり睡眠をとりましょう。できれば前日の飲酒は避けた方が無難です。

富士山に登る場合は、山小屋を利用するのが一般的ですが、高所では浅い眠りになってしまうので、早め早めに就寝し、体力を温存することがポイントです。

3か条 腹式呼吸

複式呼吸が身についている方は、高山病になりにくいです。やり方は簡単で、鼻から息をすって腹をふくらませて、苦しくない長さで大きく口から息を吐き出します。息を吐き出すときに口をすぼめると、腹圧がかかりやすくなりますよ。

複式呼吸であれば登山もラクになりますので、ぜひ身につけましょう。

そのほか、登山では普段より歩くスピードもゆっくりにして、無理のないペースを保つのもポイント。ある程度余裕があると呼吸も落ち着いてきますので、意識的にゆっくり歩きましょうね。

高山病になってしまったら?

どんなに高山病対策をしていても発症する方はいます。実際に高山病になってしまったらどうすればいいのか。5つの方法を紹介しますので、参考にしてください。

1.酸素缶を使う

高山病の原因は酸素不足ですから、酸素を体内にすばやく入れるには、酸素缶を使うのが便利です。実際に使ってみるとわかりますが、酸欠時に吸入するとかなり体がラクになりますよ。

ただし、効果があるのは酸素缶を使っている間だけなので、症状が落ち着いてきたら、複式呼吸などで呼吸を整えることがポイントです。

2.呼吸を意識する

対策のなかでも複式呼吸を紹介しましたが、呼吸は大事です。高山病になったら、まずはしっかり呼吸ができているのかをチェックしましょう。

一番ベストな複式呼吸が難しいという方は、鼻から息を吸うのではなく、口から息を吸って、苦しくない長さで口から吐き出しても問題ないです。とにかく呼吸を意識することがポイントです。

3.水分と栄養補給

高山病も含めて山には4大リスクがあります。

山の4大リスクとは…
・低酸素(高山病)
・低体温
・低血糖
・脱水症状

高所は空気が薄いこともあり、呼吸の回数が自然と増えています。そうなると脱水症状にもなりやすいですので、水分はしっかり補給しましょう。

また、低血糖で体が動かなくなるケースもあるので、ナッツやチョコレート、飴などを持参しましょう。歩きながら栄養補給ができますので持っていると便利ですよ。

4.ストレッチ

重いリュックサックなどを背負っていると、脇も締められ血流が滞りがちになります。ストレッチやマッサージで血流を促進すると、脳に酸素が送られて首や肩のコリも緩和されます。

酸欠状態がひどくなる前にストレッチすれば、より高い効果が期待できるので早めに実行しましょう。

5.下山

症状が悪化したら、迷わず下山しましょう。標高が下がってくれば、症状が緩和されてきますので、悪化して体が動かなくなる前に下山しましょうね。




高山病は思っている以上に危険です。命を落とす危険性もあるだけに、高山病に油断は禁物ですよ。

体力に自信がある方でも高山病は注意が必要です。じつは体力のある人の方が、高山病になるリスクが高いともいわれていますので、過信しないように注意しましょうね。

高山病はしっかり対策をしておけば、ある程度防げる症状ですので、今回紹介した高山病のサインや症状を見逃さず、出発前からしっかり対策をしておきましょうね。高山病対策は山攻略のカギですから、しっかりチェックしておきましょう!