J45

マーチン(マーティン)とギブソンのアコースティック・ギターの違いは何でしょう。これだ! という生涯の1本を見つけるために、2大ブランドの歴史や特徴をまとめました。

マーチンを代表するD-28やギブソンのJ-45も徹底紹介しますので、どちらを購入するか迷っている方はぜひ参考にしてください!

マーチンの歴史と特徴

Martin(マーチン)はC・F・マーチンによって創業されました。マーチンはドイツ生まれで、15歳まで父の元でギター作りを学び、その後、ウィーンの「バイオリンとギター工房」で腕を磨きました。

ギター作りを続けていましたが、1833年にアメリカへ移住します。アコースティック・ギターのヘッドに入っている金文字ロゴのEST.1833は移住した年を表しているんですよ!

1839年、現在も本社・工場のあるペンシルバニア州ナザレスに移り、本格的に楽器づくりに専念します。日本はまだ江戸時代ですので、マーチン社の伝統を感じます。

そのマーチン社の礎をきずいたのは、3代目のフランク・ヘンリー・マーチンです。シリアル・ナンバー制の導入や、楽器の直接販売を始め、マーチンギターを一躍有名にしました。

現在は7代目が最高経営責任者になっており、アメリカで同族経営のまま180年続いているのは驚きです。まさしく、この伝統を醸し出すギターが、マーチンのギターなのです!

マーチンの鉄板D-28

マーチンのアコースティック・ギター鉄板といえば…
Martin D-28


MARTIN「D-28」 マーチン・アコースティックギター/D28

定番中の定番で、ギターを弾く人みんなが憧れるアコースティック・ギターの最高傑作です。160種類以上あるマーチンギターの中で最も人気があり、世界標準として愛されているギターです。

1931年に発表され、細かい構造やデザイン、ディテールの変更はありましたが、当時と仕様はほとんど変わっていない奇跡のアコースティックギターです。

音を決定づけているのは、木の材料とボディ構造です。発売当時から今も変わらない材料を使用しており、重工なボディから出るサウンドはD-28独特のものです。

Dー28で使用する木

ボディ表面:スプルース
ボディ側面・裏面:ローズウッド
ネック:マホガニー
フィンガーボード・ブリッジ:エボニー

ディープでパワフルな音は、発表当時と変わらない伝統も引き継いでいます。

ギブソンの歴史と特徴

1894年にオーヴィル・ギブソンによる手作りからギブソンは始まりました。

マンドリンの製作から始まったギブソンですが、飛躍したのは1920年代にギブソン社に在籍したロイド・ロアーによるところが大きい。ロイド・ロアーは革新的な楽器を次々に発表し、数多くのギターメーカーや制作者に多大なる影響を及ぼします。

独特のギターやマンドリンは、アメリカのスタンダード楽器としての地位を獲得し、ギブソン社をトップ企業に押し上げました。ちなみにロイド・ロアーの当時制作したマンドリンは、市場で数千万円で取引されている幻の楽器となっています!

マーチンはヨーロッパのギターをルーツに持っていますが、ギブソンはまさにアメリカが生んだ楽器です。「ジャリーン」という音ではなく、「ゴリゴリ」という独特の音は多くの人を引きつけます。

ギブソンの名器J-45

1942年に発売されたギブソンの定番アコースティック・ギターといえば…
Gibson J-45


Gibson Montana Early 1960s J-45

圧倒的な人気を誇り、ギブソンで最も成功したモデルです。

丸みを帯びたディテールとキレイなサンバーストの色合いは、ザ・アメリカ!という感じです。J-45は普遍的な魅力を持っています。ミュージシャンでも愛用者が多く、ボブ・ディランを始め内外問わず、群を抜く人気のギターです。

ギブソンのアコースティック・ギターの特徴は、低音が鳴るということです。少しこもったような音が独特で、低音部を弾くと「ジャリジャリ」「ゴリゴリ」という感じです。ブルースマンや個性派に愛されたギターがギブソンですね。


マーチンとギブソン、どちらも良さがあります。輝くような高音を求めるならマーチンがおすすめですし、豊かな低音、ベース音域を備えた素朴さを感じたいならギブソンです。

ちなみにアコースティック・ギター弦もサウンドにはかなり影響します。ギター弦の詳細は下記の記事も参考にしてくださいね。
アコースティックギターの弦選び!おすすめはどれ?

フィンガーピッキングならマーチンで、ピックでガシャガシャ弾きたいならギブソン。どんなジャンルにも対応でき、スタンダードな曲に向いているのはマーチンで、個性を求めるならギブソン。

マーチン ⇒ 高音・フィンガーピッキング・スタンダードな曲
ギブソン ⇒ 低音・ピックで弾く・個性的な曲

あくまで個人的な感想ですので、実際に楽器店に行って、直接触って、聞いて、弾いてみて体感することで選ぶのが良いでしょう。マーチン、ギブソンはどちらも名器を生み出している最高の楽器メーカーです。ぜひ生涯をともにする一本を見つけてください!